思う存分にライブ配信をしたいと考えているライバーにとって、配信環境のグレードは不可欠な要素。高性能な機材を整えることも大切ですが、近隣に気兼ねなく自由に配信をするためには、防音設備を整えることも非常に大事なポイントとなります。
ここでは、ワンランク上の配信環境を整えたいというライバーに向け、防音に関する基本的な知識をご紹介しています。
防音とは、外の音が内に入ってきたり、内の音が外に漏れたりするのを防ぐこと。その具体的な対策として、遮音と吸音があります。
遮音とは、音を跳ね返すことによって内の音を外に漏れないようにすること。主な遮音素材として、鉄板、コンクリート、石膏などが挙げられます。
一方で吸音とは、音を吸収することで内の音を外に漏れないようにすること。主な吸音素材として、グラスウール、ロックウール、ウレタンフォームなどが挙げられます。ライバーは、遮音または吸音により防音対策を行うことになります。
ライバーが防音対策を行うためには、音の大きさの単位となるdB(デシベル)に関して理解おく必要があります。
例えば、閑静な住宅街の音の大きさは40dBですが、大声によるライブ配信時の音の大きさは90dBです。80dB程度と言われるパチンコ屋の音に比べると、大声のライブ配信のほうが音が大きくなると考えられます。ちなみに、ドラムなどの楽器演奏は100dB、飛行機のエンジン音は120dbです。
近隣に迷惑をかけない音の大きさは、閑静な住宅街と同じ40dBほど。大声でのライブ配信時に90dBが出ていると考えると、差し引き50dBほどの防音対策を行えば良いということになります。
予算があればプロに防音設備を設置してもらうことが理想ですが、なるべくコストをかけたくないならば、自作で防音環境を整えることも可能です。
例えば、床や壁、天井などに吸音材を貼る方法です。吸音材の素材によって防音効果に差があるので、ライブ配信中の音のdBに応じて商品を選ぶと良いでしょう。吸音材は、ネット通販やホームセンターなどで2,000~15,000円程度で入手可能。素材の種類や部屋の広さによって総額が高くなります。ほかにも、防音マットや防音シート(1,000円台~)、遮音カーテン(1,000円台~)などがあるので、ライブ配信環境に応じて適切にセレクトしてみると良いでしょう。
なお、適切に防音できているかどうかを判断するために、スマホ等でdB測定アプリをインストールしておくこともおすすめします。
自作よりも完璧な防音設備を整えたい場合には、コストが大きくなることを了承の上、プロに防音工事を行ってもらっても良いでしょう。プロの視点から見た最適な施工を提案してもらえるので、自作よりも高い防音効果が期待できます。
ちなみに、防音工事のコストは建物の性能や構造・広さ等によって異なりますが、例えば鉄筋コンクリートマンションで6畳の広さであれば、相場は約390万円。木造住宅で6畳の広さであれば約410万円となります。
また、防音室は気密性が高いため、換気対策やエアコンの設置も必須となるでしょう。施工業者に相談の上、防音と換気を両立させる工事を依頼しましょう。
自信なさげに小声で配信しているライバーよりも、自信たっぷりに大声で配信しているライバーのほうが、当然ながら視聴者には魅力的に見えます。
ただし、大声で配信するためには、防音対策が必要となる場合もあります。
防音に関する基本(遮音と吸音)を理解した上で、配信中のdBに適した防音対策を行い、堂々とライブ配信を行って多くの視聴者を獲得していきましょう。